PERIODONTAL DISEASE歯周病

歯周病セルフチェック

このような症状は歯周病が進行しているサインです。

  • 歯ぐきが腫れてブヨブヨしている

  • 歯がだんだん長くなってきた

  • 歯ぐきが下がって痛い

  • 歯磨きするだけで出血する

  • 口臭がきつくなった

  • 口の中のネバつきが気になる

ひとつでも当てはまる項目があれば、要注意です。症状が悪化する前に、歯科医院を受診しましょう。
もし当てはまる項目がなくても、前回の受診から期間が空いているようでしたら、歯科医院にかかることをおすすめします。
自分は大丈夫だと思っていても、気づかないうちに進行しているケースがあります。
自覚症状の有無に関わらず、定期的に検診を受けることで、歯周病は予防できます。

歯周病は年齢や性別問わず誰でもかかる可能性があります

歯周病は「歳を取ってからかかる病気」と考えている方も多いかもしれません。
年齢とともに有病率は上がりますが、じつは20代でも注意が必要です。
年齢や性別を問わず、毎日のケアを徹底しなければ、誰でも発症する可能性があるのです。
とくに歯周病の初期段階では、自覚症状がほとんどなく、気づかないまま進行していることがよくあります。
症状を自覚したときには、すでに歯を支える組織がなくなっており、歯を失うケースが多くあるのです。
歯周病は「日本人が歯を失う原因の第1位」と言われていますが、若い世代からシニア世代まで、誰もが予防に努める必要があります。
(参照:「歯の損失の原因」e-ヘルスネットより

歯周病は全身の健康に悪い影響を及ぼす恐れがあります

歯周病に一度かかると、病気になる前の状態に戻すことはできません。
放置していると炎症はどんどん広がり、歯を支えている骨や周りの組織が破壊され、最終的に歯が抜け落ちてしまうのです。

さらに歯周病はお口の中だけにとどまらず、身体全体の健康にも関わっています。
歯周病菌や炎症物質が血管を通って全身に運ばれると、糖尿病や誤嚥(ごえん)性肺炎、心疾患、認知症などの病気を引き起こしたり、悪化させたりすることが明らかになってきました。
また妊娠中の女性が歯周病にかかると、血液を介して赤ちゃんにも影響をおよぼし、早産や低体重児出産のリスクが高くなります。
病気によってはお互いに悪い影響を与え合うケースもあり、たとえば糖尿病が原因となって、歯周病にかかりやすくなることが報告されています。
全身疾患の発症や悪化を防ぐためにも、歯周病予防に取り組みましょう。

歯周病の原因

歯周病を引き起こす直接的な原因は、プラーク(歯垢)です。
プラークとは、食べかすや磨き残しに付着し、増殖した細菌の塊のことをいいます。
歯と歯ぐきの間に入り込んだプラークが出す毒素によって、歯肉に炎症を起こし、歯周病が発症します。

歯周病の進行

歯肉炎

歯ぐきのみに炎症がおこっている状態です。
歯肉はやや赤く腫れていますが、痛みなどの自覚症状はありません。
歯磨きをすると、まれに歯ぐきからの出血が見られます。
この段階でトラブルに気づき、歯科医院を受診する方は少ないようです。

しかし歯周ポケットが2〜3mmの深さになっているため、そのまま放置すると溝にプラークが溜まります。
歯石の除去やポケット内の清掃を行えば、まだ十分回復が見込めます。

歯周炎(軽度)

炎症が歯ぐきだけでなく、歯の周りにある組織にまで進行した状態です。
歯を支えている骨や歯根の表面にある結合組織まで破壊され始め、グラグラと揺れたり、浮いたりするように感じる方もいます。
歯周ポケットの深さは3~5mmほどになるので、さらにプラークが溜まりやすくなります。

組織の破壊を食い止めるには、歯周ポケット内の歯石や歯垢をプロの手によって除去する「スケーリング」と呼ばれる治療が必要です。

歯周炎(重度)

歯を支える骨がほとんど破壊されるため、グラグラと動き出し、抜け落ちる寸前の状態です。
歯ぐきは真っ赤に腫れて、わずかな刺激でも出血や膿が出ます。
歯周ポケットの深さは6mm以上になり、だんだんと歯ぐき下がることで、歯根がむき出しになるのです。
炎症を抑えるためには、歯石の除去と歯根面の処理だけでなく、外科的な処置による治療が必要です。

この段階までくると、抜歯を避けられない方が多くなる傾向にあります。
日頃から歯周病予防を行い、重症化を避けることが大切です。

ご自宅で行う歯周病予防~セルフケア~

毎日のブラッシング

歯科医院で受けたブラッシング指導の内容を、ご自宅で実践していただきます。
毎食後はもちろん、就寝前にもブラッシングしましょう。
特に就寝中は日中に比べ、だ液の分泌量が低下し、細菌の活動が活発になります。
就寝前にしっかりと歯を磨いて、細菌の増殖を防ぎましょう。

生活習慣の改善

歯磨きの回数を増やしてお口の中を清潔に保ち、細菌のエサとなる「糖」を含む食品の摂取を控えましょう。
また、喫煙は歯ぐきの回復を妨げ、歯周病が悪化する原因となります。
歯周病治療を行うと同時に、禁煙するのが望ましいでしょう。

歯科医院で行う歯周病予防~プロケア~

歯石取り

歯石取りとは、歯の表面に付着した歯石を除去する治療です。
歯石はプラークが石灰化し硬くなったもので、セルフケアで取り除くことは困難です。
歯石取り(スケーリング)なら、歯ぐきや歯を傷つけることなく、頑固な汚れを落とせます。

ブラッシング指導

ご自宅で行うセルフケアが適切でなければ、歯垢や歯石が蓄積し、歯周病の改善には至りません。
現在のブラッシング方法や、使用している清掃道具が適切かどうか、患者さんに合わせてアドバイスさせていただきます。
いつも使用されている歯ブラシを持参していただくと、ご自宅での状況を把握しやすく、歯磨きの癖や磨き残しの改善につなげやすくなります。
歯周病の改善には、ご自身の努力も必要です。
一緒に取り組んでいきましょう。

歯と全身の健康を守るために歯科検診で早めの歯周病対策をしましょう

歯周病はできるだけ早い段階で発見し、治療に取り掛かることが大切です。
治療にかかる時間や費用が短縮され、なにより歯へのダメージが最小限に抑えられるのです。
早期発見・治療のためには、歯科医院で定期的に検診を受けるようにしてください。

またご自宅でのケアと、歯科医院でのプロによるケアの両立で歯周病は予防できます。
適切なケアを習慣づけて、お口と身体の健康を守りましょう。